2010年7月 Archive

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     夕立は誰のおかげか。
 
 
 
■ 梶山さんは半島出身だった。
 晩年になり、祖国と日本をテーマにした大河小説を書こうと試みたが果たせなかった。
 友人の山口瞳さんの「男性自身」には、その辺りの経緯が書いてある。
 サービス精神が旺盛すぎた。男気が強すぎる。筆が荒れた。
 元に戻すには、周辺を切らねばならない。
 
 
 
■ 山口さんの「英雄の死」は、今読むと哀切である。
 20数年ほど前に買ったものが処分できず、まだ棚の中にある。
 山口さんはそれ以後どうも書けなくなって、水彩画や旅物の方に流れたのだとご自分で言われてもいた。

 
     賦存なり。
 
 
 
■ この言葉の意味を識ったのは、草柳大蔵さんの女性向け単行本である。
 東横線、日吉か綱島界隈の古本屋で買った。
 師匠の大宅さんは元マルキスト周辺なのだが、たいそうに不良で、ほとんど歯を磨いたことがない。結果、40を前にして総入歯になったとモノの本に書いてある。
 
 
 
■ 物書きもジャーナリストも、案外にはやく亡くなる。
 梶山さんなどは、今の私よりも年下ではなかったか。
 老成と言えば時代なのだが、生き急いだという感じも否めない。

 
     眠れや。
 
 
 
■「赤い花」のラストは、チヨジを背中におぶって少年が坂道を歩く。
 弟ではないところ。
 これから先のこと。

 
     がんばれチヨジ。
 
 
 
■ 主らはロクに金もねえのに。
 と、瞳の大きな少女が登場する作品は、つげ義春さんの「赤い花」である。
 花だ。
 赤い花だ。
 初潮を知らない少年は叫ぶ。

     ローストビーフ。
 
 
 
■ 若いときからそういう色の場合もある。
 そりゃおまえ、下町コンプレックスというものだろうよ。
 なんだそれ。
 いや、2日もいると、茶碗の裏が気になったりしないか。

     腐る手前。
 
 
 
■ 1981に新宿でやったコンサートで、マイルスは鼻水を垂らしている。
 ほとんどヘロヘロで、聴くに耐えないという評価が多い。
 風邪ではなく、自叙伝によればおそらくは非合法の薬物の後遺症だろうか。
 
 
 
■ あるとき、医者をやっている友人が言う。
 若い女もいいが、なんというか腐る手前のどうにもならないのってどう思うおまえ。
 そこに人生の深遠があるような気がするんだが。
 ま、ここの蕎麦は旨いよな。

 
     1981 デイヴィス。
 
 
 
■ 随分と前のことである。
 人形町か浜町のあたりで諸先輩と隣り合わせた。
 JAZZファンならご記憶にあるだろう。
 アンダー・ザ・スカイをプロデュースされていた。
 とある新聞社の事業部に属されていたらしい。
 
 
 
■ 多分今の私くらいの年齢だろうか。
 髪には白髪が混じり、上下、当然のように中国製ではないスーツ姿である。
 カウンターだけの小料理屋。
 内儀は御多分に漏れず、東海林さだおさんの漫画に出てくるような色気であった。
 私は生意気にもいさきの塩焼きをつついていた。
 
 
 
■ 見ず知らずの若造に、酒を奢ってくれるほど大人の世界は甘くはない。
 そこでマイルスの話になる。

 
     サンダルが嫌いだ。
 
 
 
■ 私は踵を潰したクラークスを履いていた。
 夏の頃合、どうもサンダルが苦手である。
 
 
 
■ LEDの懐中電灯に養生テープを巻き、ボディにつける。
 問題は眼鏡で、中距離用のそれではネジ山が見えない。

 
     男のメンテ費。
 
 
 
■ 小型車ではない方の、1年にかかるコストというのを叩いてみた。
 ドウシタラヨカロ。
 これって、F355辺りを維持するのと変わらない。
 
 
 
■ そうは言うが、エアコンのブロアモーターなどは自分で交換している。
 ディーラーのほぼ半額で仕入れた。
 何時だったかアクロバットに近い格好でじたばたしていると、ママー、足がみえるわよという声がする。
 これはいかんなと、お嬢さんと奥様に頭を下げた。

 
     音で分かるわよ 2.
 
 
 
■ それから何年経ったろうか。
 レツを組んでいた友人と機会があった。
 彼氏がね、向こうにいったから。
 向こうとはそういう意味である。
 その後のことは知らない。
 
 
■ ぐずぐずしてんじゃないの。
 私は何度言われたことだろう。

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