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2010年07月01日

「緑色の坂の道」vol.4885

 
     ブエノスアイレスな夜 2.
 
 
 
■ どの国でも、どの時代でも。
 半分は美学のようなものがあるのではないかという気がする。
 このあいだ、誰それがきましたよ。こんど飲みに連れてってください。
 と話すバーテンダーがいるところで、一体どうすればいいのかと。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4886

 
     エル・レコド。
 
 
 
■ 訳すると、曲がり角のところで。
 になるという。
 ホンキにしないように。
 
 
 
■ リアに、190エボ2みたいなスポイラーを付けたFDが入ってくる。
 向こう側には月島やそうでもないところの高層マンションである。
 彼は色の褪せたTシャツを着ていた。
 背中に染みがあって、恐らくはスパルコ辺りがシートである。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4887

 
     アル・バ・ドゥルセ。
 
 
 
■ いい男がいくよ。
 私はFD2のフェンダー辺りを眺めていた。
 タマナンバーである。
 
 
 
■ 何時か恋をし。
 高いオムツを買い。
 寝顔を眺めては油圧計を思い出すのか。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4888

 
     それが最後の合コンかな。
 
 
 
■ ランチの時分である。
 その声がしたので、横を向く。
 男がふたり。皿の上にはおかずが残る。
 腕時計が目立つ。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4889

 
     夏の男たち。
 
 
 
■ 尻ポケットが膨らんでいる。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4890

 
     褪せたポロ。
 
 
 
■ アトリエというかなんというかから持ってきた、椅子を眺めている。
 ビニールの細いパイプが簡単なフレームの上に被さっているもので、持つと軽いのであるが尻も腰もそう痛くはならない。
 
 
 
■ 途中買い足した。
 時々積み重ねる。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4891

 
     コルティナ。
 
 
 
■ 何時だったか、外苑西を50で走っている。
 左側に、60年代のロータスのセダンが停まっている。
 ここは朝方近くまで空いているので、軽く腹をふさぐにはいいところだった。
 
 
 
■ もちろん、エアコンもクーラーもない。
 綺麗に仕上げ、適宜な妙齢を連れたきたとして、アイス・ティだけはおかわりが自由である。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4892

 
     アラガン。
 
 
 
■ 月が高いところにある。
 MTG(打ち合わせのことである)や飲み会や。
 ネクタイを外し上着を脱ぎ、すこしだけ歩く。
 せめてタクシー代を節約しようという心構えからなのだが、ココロガマエと記した方が良かったような気もする。
 
 
 
■ ガードマンがいる。
 公安関係に配備された地方から出てきた巡査がいる。
 暑いですね。
 そうですね。
 すいませんがこちらを通ってください。
 
 

2010年07月06日

「緑色の坂の道」vol.4893

 
     オールド・ファッション。
 
 
 
■ いつだったか友人と食事をして、そのまま別れた。
 おい恵比寿ってこんな街だったっけ。
 ここんとこ、こんなもんだよな。
 じゃ。
 いくのか。
 うん。
 
 
 
■ 黒いボディの車を探し、丘の上までいってもらう。
 この車に乗せてもらえるまで、2年半辛抱したと彼は語る。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4894

 
     モヒート。
 
 
 
■ は、オールド・ファッションのグラスを使う。
 入って2年ばかりの黒服が、今このウィスキィ、キャンペーン中です。これでお作りしましょうか。と尋ねてきたが遠慮する。
 昔ベントレィに乗っていたという、吉田茂の懐刀とされた人のような名前だった。
 彼は醤油を飲んで徴兵を逃れた訳ではない。
 
 
 
■ さっき食べた四川が辛かった。
 最後は麻婆豆腐に飯を入れ、男3人で分けた。
 山椒の入ったところを多くブンドル。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4895

 
     モヒート 2.
 
 
 
■ 夏の酒といえば、ギブスン辺りもいいのだ。
 が、いい歳になると、ストローを指したクラッシュ・アイスをほじほじしているのも好きになる。
 会話を反芻したり、昼間の厄介を考えたり、漠然とする。
 傍からは間抜けにみえているかも知れない。
 
 
 
■ なんでこれストローが2本なの。
 レシピにそうあるんですよ。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4896

 
     パルタの2.
 
 
 
■ 5才児の先端のような葉巻を選ぶ。
 カットすると、痛そうである。
 胃の辺りが重いとき、または数日前にバテ、それが回復していないとき、このNo.2は結構デリケートな味がして私は好きだった。
 舌先で転がすと、カットした辺りから僅かに剥がれ、口の中に入る。
 もちろん毒なのだろう。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4897

 
     向こう側で仕事している。
 
 
 
■ 仕事場か住居かの区別は、多分窓のケルビンである。
 白熱灯を使うコンビニもオフィスもみたことがない。
 
 
 
■ いつだったか誰かと話していて、酒の世界も車の世界も、結局西洋被れのプチブル趣味なんだよな、という結論になった。
 ジャガーという車は、その古いものは滅法好きで、その血膿色ともいうべきくすんだ赤色のシートは、つまるところソーセージを作る過程なのだと気づく。
 裏庭で家畜を潰していた人たちの朱なのだ。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4898

 
     座面の小さなXK.
 
 
 
■ メルセデスでもジャガーでも。
 裏に廻ると少しばかり安っぽいところがある。
 総皮張りとされているそれの、背面はよくできたビニールだったこともある。
 爪を軽く立て、その戻りで分かるのだが、今ですと金利がどうですと顎の尖った妙齢が言うのである。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4899

 
     海岸にて。
 
 
 
■ いつだったか葉山の辺りにいった。
 だいたい雨の季節である。
 もうしばらくすると、海の家やらエコの建築家やら、定期的なラスタマンが出稼ぎにきて、少し鬱陶しくなるのだ。
 ゴヨーテイの辺りでは花火は禁止である。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4900

 
     スティ・シングル。
 
 
 
■「空軍大戦略」という映画の中の台詞である。
 かつての戦争映画には、にやりとする場面がいくつもあった。
 後で「ジャッカルの日」に主演する俳優も顔を出す。
 
 

2010年07月08日

「緑色の坂の道」vol.4901

 
     七月の桜の下。
 
 
 
■ ベンチに座っていた。
 文庫を持ってこなかったことをすこし悔やんだ。
 向こうには、ドレッドの髪型をした本国の妙齢が、真っ白なシャツを着て多分ペーパー・バックを捲っている。
 
 
 
■ 足元に蟻。
 煉瓦の隙間に砂を盛り上げている。
 隣にダンゴムシ。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4902

 
     こんなことあったな。
 
 
 
■ 少年の頃である。
 または、記憶にはないが誰かになにかを注いでもらった時である。
 ゆっくり空の色が変わる。
 
 

2010年07月09日

「緑色の坂の道」vol.4903

 
     モンキー・マン。
 
 
 
■ 某月某日。
 打ち合わせを終えるといい時間だった。
 なんとなく車を走らせる。
 先日エンジンとATのマウントを交換し、その後真面目に走っていなかったのである。
 ランプまでの間、初期型の500Eと並んだ。
 
 
 
■ 964のカレラ2に、年間100かける人がいるという。
 かかるだろうな、という気もする。
 時々乗るのなら930。普段なら水冷の996からだという話もあるが、車両本体よりも実はメンテに費用と手間がかかるのが、この手の実際である。
 少しでも安くというのは人情なのだが、この辺り難しく、界隈の町工場だったり、雑誌に広告が載っているところがいいのかというと、これもまた微妙なところもある。
 工賃はディーラーとたいして変わりがない。
 
 
 
■ いつだったか車を引き取りに地下鉄から歩いていく。
 たまには歩くのである。
 R107の560SLがエアコンの整備。
 初期と後期の500Eが並んでいて、濃い色の方はどうも女性がオーナーのようだった。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4904

 
     モンキー・マン 2.
 
 
 
■ 平日夜の大黒は空いている。
 コーヒー・ルンバのかかる自販機にコインを入れようとするカップルがいて、若い男が、高いなと口にしていた。
 隣にいた若い女性は、鈍い顔をして笑っている。
 小銭入れを開こうとはしていない。
 
 
 
■ ノーマルの車高の993が1台。360モデナが1台。
 千葉からきたワゴンに男が4人。逆走している。
 小雨だというのに、80年代カワサキ空冷4発が1台。それと、シングルシートの883が1台停まっていた。
 仕事終えて、軽く流しにきたというところだろう。
 883、繋ぎ目で尻が流れないか。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4905

 
     モンキー・マン 3.
 
 
 
■ もうすこしはやければ、本牧の船員向け食堂で、ポテト抜きのハンバーガーでも食べたところだ。
 ピクルスとマスタードが旨い。
 肉は、多分肉なのだろう。
 
 
 
■ コンビナートを横目で眺め、80で流す。
 法定速度がそう定められていて、この先には上海のショールームのようなブランド品の安売がある。在中の知人に言わせると、あちらより安いものもあるという。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4906

 
     モンキー・マン 4.
 
 
 
■ ストーンズは、イントロが勝負である。
 ミックが歌いはじめると、とたんにタレる場合もあって、この辺りどうにかならないものかとずっと思っていた。
 R&Bが白くなって不良になるとどうなる。
 半分妖怪のようなモノクロ。
 キースの写真をみたことがあるが、それも良いのかも知れない。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4907

 
     モンキー・マン 5.
 
 
 
■ このままいけば葉山である。
 葉山に女がいたことはないが、御用邸脇の囲まれた路地から少し歩いたことは何度もあった。
 近場にちょっとしたマンションがあって、門柱は潮風で錆びてもいるが、隠れている方が何人もおられる。
 
 
 
■ 一度降り、自販機を探す。
 水を買うと、蛍光灯に小さな虫が集まっている。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4908

 
     霧の中の白い光。
 
 
 
■ 仕事で首都圏界隈を走られている諸兄ならご存知だろう。
 まっすぐに伸びた光があって、対向車線からである。
 緑なりのサインを照らしている。
 
 
 
■ たった独りで流れているとき、これが綺麗だなと思う。
 誰に見せたいと、そのときは誰にも。
 
 

2010年07月16日

「緑色の坂の道」vol.4909

 
     坂道と三日月。
 
 
 
■ 夕方である。
 穴を掘っている。
 こちらへどうぞと、警備のひとが赤いそれを振り、軽く頭を下げながらゆるゆると昇る。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4910


     水菓子。
 
 
 
■ 光に透かし、祖母をおもう。
 
 

2010年07月21日

「緑色の坂の道」vol.4911

 
     海沿いのバス停。
 
 
 
■ 放ったらかしておいたポジを現像に出してもらう。
 これは何時のものか、番記がR8とある。
 ルーペで眺めると、色が変わっていた。
 
 
 
■ 写真というのは面白いもので、解像度があれば良いというものでもない。
 色の再現性とよく言うのだが、それも相対的なものである。
 ノイズ。粒状。
 向こう側にあるリアリティ。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4912

 
     短編について。
 
 
 
■ リアリティというのは、現実そのものではない。
 想像力のことである。
 
 
 
■ とても残酷な話なのだが、文章や写真、あるいはデザインそのものについても、背後が薄く透けてみえることがある。
 普段何を食べているのか。子供の頃どうだったのか。
 誰に愛され、誰を愛したのか。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4913

 
     ジンスト。
 
 
 
■ 冷えた部屋で。
 ジンを嘗めはじめた。
 ライムがない。
 あったところで、垂らすだけである。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4914

 
     夜の砂。
 
 
 
■ あるとき友人がこんなことを言う。
 残そうと思うんだよ。せめて会社を後25年や30年。
 
 
 
■ 彼は若い者に期待した。
 だってその大学出ているんだぜ。
 おかしいじゃないか、できないなんて。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4915

 
     夜の砂 2.
 
 
 
■ おまえさ、ひとけの無い海に降りてみろよ。
 砂があって、まだあったかいんだ。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4916

 
     夜の砂 3.
 
 
 
■ 30女の胸に手をいれたことがある。
 堅くもなく、柔らかくもなく。
 そのとき産んだことがなかったので、先だけが歴史だった。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4917

 
     SLC.
 
 
 
■ 緑坂の読者というのは、大体がマニアである。
 車とカメラと、酒と女。
 ええわたくしは部分的に引退させていただいておりますが。
 
 
 
■ 何時だったか、とても程度のいいSLCを見かけた。
 V8の560だったかは忘れたが、クーペタイプで綺麗なものは少ない。
 70年代からのハリウッド映画を眺めるとこいつがよく出てきて、ブロンドと二枚目が映っている。
 
 
 
■ 脂の抜けたSLCというのは、アガリのふたつみっつ手前くらいなものだろうか。
 使い込んで角の丸くなったダンヒルのライターと同じくらい、偶に磨く訳である。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4918

 
     音で分かるわよ。
 
 
 
■ 若い頃、友人がそんなことを言っていた。
 ライターの銘柄である。
 小癪なことをと、今ならにやにやするのだが、若造だった私はそれを真に受ける。
 
 
 
■ 彼女は橋の上を白いスーツで歩いてくる。
 足首が細く、腰廻りは確かである。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4919

 
     音で分かるわよ 2.
 
 
 
■ それから何年経ったろうか。
 レツを組んでいた友人と機会があった。
 彼氏がね、向こうにいったから。
 向こうとはそういう意味である。
 その後のことは知らない。
 
 
■ ぐずぐずしてんじゃないの。
 私は何度言われたことだろう。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4920

 
     男のメンテ費。
 
 
 
■ 小型車ではない方の、1年にかかるコストというのを叩いてみた。
 ドウシタラヨカロ。
 これって、F355辺りを維持するのと変わらない。
 
 
 
■ そうは言うが、エアコンのブロアモーターなどは自分で交換している。
 ディーラーのほぼ半額で仕入れた。
 何時だったかアクロバットに近い格好でじたばたしていると、ママー、足がみえるわよという声がする。
 これはいかんなと、お嬢さんと奥様に頭を下げた。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4921

 
     サンダルが嫌いだ。
 
 
 
■ 私は踵を潰したクラークスを履いていた。
 夏の頃合、どうもサンダルが苦手である。
 
 
 
■ LEDの懐中電灯に養生テープを巻き、ボディにつける。
 問題は眼鏡で、中距離用のそれではネジ山が見えない。
 
 

2010年07月27日

「緑色の坂の道」vol.4922

 
     1981 デイヴィス。
 
 
 
■ 随分と前のことである。
 人形町か浜町のあたりで諸先輩と隣り合わせた。
 JAZZファンならご記憶にあるだろう。
 アンダー・ザ・スカイをプロデュースされていた。
 とある新聞社の事業部に属されていたらしい。
 
 
 
■ 多分今の私くらいの年齢だろうか。
 髪には白髪が混じり、上下、当然のように中国製ではないスーツ姿である。
 カウンターだけの小料理屋。
 内儀は御多分に漏れず、東海林さだおさんの漫画に出てくるような色気であった。
 私は生意気にもいさきの塩焼きをつついていた。
 
 
 
■ 見ず知らずの若造に、酒を奢ってくれるほど大人の世界は甘くはない。
 そこでマイルスの話になる。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4923

     腐る手前。
 
 
 
■ 1981に新宿でやったコンサートで、マイルスは鼻水を垂らしている。
 ほとんどヘロヘロで、聴くに耐えないという評価が多い。
 風邪ではなく、自叙伝によればおそらくは非合法の薬物の後遺症だろうか。
 
 
 
■ あるとき、医者をやっている友人が言う。
 若い女もいいが、なんというか腐る手前のどうにもならないのってどう思うおまえ。
 そこに人生の深遠があるような気がするんだが。
 ま、ここの蕎麦は旨いよな。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4924

     ローストビーフ。
 
 
 
■ 若いときからそういう色の場合もある。
 そりゃおまえ、下町コンプレックスというものだろうよ。
 なんだそれ。
 いや、2日もいると、茶碗の裏が気になったりしないか。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4925

 
     がんばれチヨジ。
 
 
 
■ 主らはロクに金もねえのに。
 と、瞳の大きな少女が登場する作品は、つげ義春さんの「赤い花」である。
 花だ。
 赤い花だ。
 初潮を知らない少年は叫ぶ。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4926

 
     眠れや。
 
 
 
■「赤い花」のラストは、チヨジを背中におぶって少年が坂道を歩く。
 弟ではないところ。
 これから先のこと。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4927

 
     賦存なり。
 
 
 
■ この言葉の意味を識ったのは、草柳大蔵さんの女性向け単行本である。
 東横線、日吉か綱島界隈の古本屋で買った。
 師匠の大宅さんは元マルキスト周辺なのだが、たいそうに不良で、ほとんど歯を磨いたことがない。結果、40を前にして総入歯になったとモノの本に書いてある。
 
 
 
■ 物書きもジャーナリストも、案外にはやく亡くなる。
 梶山さんなどは、今の私よりも年下ではなかったか。
 老成と言えば時代なのだが、生き急いだという感じも否めない。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4928

 
     夕立は誰のおかげか。
 
 
 
■ 梶山さんは半島出身だった。
 晩年になり、祖国と日本をテーマにした大河小説を書こうと試みたが果たせなかった。
 友人の山口瞳さんの「男性自身」には、その辺りの経緯が書いてある。
 サービス精神が旺盛すぎた。男気が強すぎる。筆が荒れた。
 元に戻すには、周辺を切らねばならない。
 
 
 
■ 山口さんの「英雄の死」は、今読むと哀切である。
 20数年ほど前に買ったものが処分できず、まだ棚の中にある。
 山口さんはそれ以後どうも書けなくなって、水彩画や旅物の方に流れたのだとご自分で言われてもいた。