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2009年11月06日

「緑色の坂の道」vol.4578

 
     Play Melancholy Baby.
 
 
 
■ 寒くなった。
 人差し指の先を思わず切って、キーボードに触れると痛い。
 私はといえば、漠然と慌しく、そのくせ台所に何度も立って天麩羅を揚げたりしていた。
 
 
 
■ マットデニスのアルバムのことは何度か緑坂に書いた。
 真夏に聴くにはつらいものがあるが、部屋を薄く暖めた夜など、低く流す。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4579

 
     A Thousand Years Ago.
 
 
 
■ マットデニスは1914年にシアトル生まれ。
 カリフォルニアで子供時分を過ごし、40年にトミー・ドーシー楽団の作曲・編曲の担当者になった。トミー・ドーシーと言えばシナトラだが、ここでいくつかヒットを生む。
 43年に陸軍航空隊に入ったという記録もあるというから、ベニー・グッドマンなどと同様、各地で慰問などに携わったことだろう。
 
 
 
■ マットの声域は狭いとされる。が、不思議にソフトでロマンチックである。
 どういったらいいのか、ま、粋ということなんでしょうね。
 サラやエラや、例えば吹きっぱなしのコルトレーンなどの対極にある芸であった。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4580

 
     This Is My Story of Love.
 
 
 
■ 粋というのは、やればできるのにやらないということである。
 あるいはやりすぎないことである。
 なんだかめんどくさいな、という按配なのだが、この辺りの匙加減が微妙でしてね。
 半熟のゆで卵を作れるかどうかみたいなところもある。
 
 

2009年11月26日

「緑色の坂の道」vol.4581

 
     長い旅を続けていると、何処なのかを忘れる。
     夢も古びてくる。
 
 
 
■ とぎれとぎれの旅からかえってきた。
 案の定、倒れる。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4582

 
     長い旅を続けていると、何処なのかを忘れる。
     夢も古びてくる 2.
 
 
 
■ 保留してもらっていたMTG、打ち合わせを日にふたつみつ入れ、しまいによく分からなくなり、酒は嘗めず、はやい時間に眠る。
 何故かは知らないが、朝早い生活だったのである。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4583

 
     長い旅を続けていると、何処なのかを忘れる。
     夢も古びてくる 3.
 
 
 
■ 旅先の宿か、あるいは知らない土地の高速の上でか。
 ここで何をしているんだろうという気になって、すこしも進歩がない。
 かさぶたのようなものが剥がれかかって、廻りは雪である。
 
 

2009年11月27日

「緑色の坂の道」vol.4584

 
     長い旅を続けていると、何処なのかを忘れる。
     夢も古びてくる 4.
 
 
 
■ これは「青い瓶の話」の主題となるコピーだった。
 初出は97年か8年あたり。読売のyominet時代のお話である。
 北澤さん、これいい言葉ですよね。
 と、何年か前、南の島で生まれ育った妙齢が言った。
 若い彼女に分かるのかといぶかしかったが、彼女もまた別のところに旅をしている。
 
 
 
■ 伸びた白いウドンの甘木クン襲名3代目の彼は今頃どうしているか。
 まだ結婚しないのか。
 いい女いないっすよ。
 おまえ形から入るからだよ。
 言われたくないです。
 ともいえるな。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4585

 
     長い旅を続けていると、何処なのかを忘れる。
     夢も古びてくる 5.
 
 
 
■ いい歳をして「夢」とか書いているのは困ったものである。
 自分のことしか考えなくてもよかったセーシュン後期はとうに終わり、あれやこれや背負うものが増えてくる。
 親であったり家族であったり、勿論仕事もそれからなんだ。
 いくつもの篩いのようなものがあって、私は煙草を吸っている。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4586

 
     南下する36と43.
 
 
 
■ 渋滞を抜けた頃だった。
 右側をコンボイで走っていく少し古いAMGに抜かれた。
 一台は銀。いわゆるシルバーアローのそれで、どうも尻の辺りがC43臭い。
 見ていると、今度は濃紺のC36が抜けていく。
 お、と眺めていると、フラッシャーを点滅させ、余裕ある身のこなしでするすると遠ざかっていく。
 
 
 
■ そのすぐ後ろを、スバルB4あたりがついていく。
 あるいは車のことをよく識らないパートタイムの4駆SUVが追いすがる。
 今、リッターカーでも平気で170は出るのだし、300馬力超えのワンボックスもあるのだが、金の掛け方はやはり違って、90年代のAMGはどちらかと言えば964の911かBMWのアルピナに近い。
 C36は直6である。4ポットのキャリパー。
 C43になるとV6になって脚が硬くなり、ポットは2つに減らされた。C36がバランスを重視した設定だとすれば、C43はGT・グランド・ツーリングの色合いが濃くなる。
 どちらのブレーキも遥かに上級の車種から移植したものが標準で、真面目に踏めば煽ったつもりの後続車両のドライバーは、心臓が喉元から出掛かる。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4587

 
     消えたAMG.
 
 
 
■ 私はクルーズで制限速度プラス5-10を保っていた。
 今回は独りであるから、ほとんど耐久仕様なのである。
 山あいの高速で、周囲はほとんど真っ暗で、地元車がかなりの速度差で抜いていくのだが、後何時間は走らねばならないと思うと背中の痛みが気になる。
 弁当箱のような車が無理な形で前に入り、ちょっとだけ制限速度を僅かに超えた。
 左右に抜けていくのだが、C36とC43のコンボイは見えない。
 
 

2009年11月28日

「緑色の坂の道」vol.4588

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