2009年9月 Archive

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      コンクリとマティニ_3.
 
 
 
■ 工場の入り口には監視カメラがあって、もしかすると暗がりでも映るそれかも知れない。
 私は車を降り、その辺りで漠然としてみた。
 ポロの上に麻のシャツを羽織っていたのだが、すこし寒い。
 こんなことばかりして何になる。

 
      コンクリとマティニ_2.
 
 
 
■ 私はアメリカンサイズのカクテルグラスが好きではない。
 いつだったか恵比寿のバーにいって、それが出てきた時はちょっと困った。
 ストローくれよ、と言いそうになって溜息をついていると、若いバーテンダーが三口で飲んだらひっくりかえりますね、と助け舟を出した。

 
      コンクリとマティニ。
 
 
 
■ いつのまにか港の外れ辺りにいる。
 京浜工業地帯の一番深いところで、この時間、コンビナートから盛んに水蒸気が昇っていた。
 私はカメラを持たず、また撮影する気はない。
 100円と張り紙された自販機があって、そこのコーヒーは薄いのだ。

 
      ギルの晩年。
 
 
 
■ 確かマイルスはその自叙伝で、Gil Evans のことに触れていた。
 あまり芳しい話ではなかったような記憶もある。
 ギルはユダヤ系で、最後はメキシコで没する。
 ポケットからPARTAGASの細いシガーを取り出し、火はつけず咥えては戻した。

 
      ソレア。
 
 
 
■ 80くらいで流していた。
 私は Miles Davis が好きで、ひとりの時はくりかえしよく聴く。
「ポギーとベス」も名演だったが、60年の「スケッチオブスペイン」も捨てがたく、特に最後のSoleaは、ちょっと向こう側に行きかかっていると思いながら惹きつけられた。
 その辺り、ボリュームを上げないと分からないのである。

Photo,Designed by kitazawa-office.Photo,Designed by kitazawa-office.
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     Z28.
 
 
 
■ いつだったかこの辺り、目黒通りと外苑西を964のポーシェがいったりきたりしていた。
 964は好きなのだが、休日になるとあらわれるプロムナードカーは鬱陶しい。
 大きな後付のウィングを立て、30男が顎を突き出して窓を開けていた。
 排気音が連続していず、多分タペット調整をしていないのだろう。
 年に1回、工賃10-というのは確かに高いけれども。
 空冷エンジンは基本的に丈夫だから、オイルはRED LINEあたりを5000程でいいと聞いたことがある。珍しい993のターボ乗りからだった。

 
     ふらり200.
 
 
 
■ このところ自分の車に乗っていなかった。
 地下に降りると埃だらけである。
 ボンネットを開け、オイルの量と汚れを確認する。
 モチュールの300Vは、ひと夏0.1程継ぎ足しただけだった。
 まだいけるような、そうでもないような。
 暖気をして、ウォッシャーでガラスを洗う。

 
     PERNOD.
 
 
 
■ 古い読者から連絡をいただいて、最近五時じゃね誤字がいくつかありますよ、とのことだった。
 ドコ、と尋ねようとしたが、高くつきそうなのでやめにした。
 掲載の前に印刷して目を通すようにはしているのだが、大体はへろへろのことが多く万全ではない。スタッフに校正を頼んでも、ちょっとそれは負担というものだろうか。
 
 
 
■ 私は今、緑色の瓶のぺルノーを嘗めていた。
 紙袋の中に入っていたのである。
 どうしたらよかろう。
 というのは、山本夏彦さんの台詞である。

 
     九月雨。
 
 
 
■ 手を置くと、その奥からゆっくりと熱の塊が浮かび上がってくる肌がある。
 どうということもないうなじと瞼をしているが、その下にあるものに思いの他質量があり僅かに湿り気を帯びている。

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