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2009年08月04日

「緑色の坂の道」vol.4465

 
     祭髪。
 
 
 
■ 浴衣姿が目立つ。
 夕暮れの坂道。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4466

 
      Grant's.
 
 
 
■ VAT69が切れ、角の43もなくなったので、久しぶりに三角のスコッチを嘗めていた。
 どうということもない、赤ラベルである。
 いつだったか仏映画を眺めていて、悪漢共がこれを飲んでいる場面があった。
 ヌーベルバークの頃か、俗悪と思われていたアメリカ車と共に、これが洒落ていると思われていた季節もあったようである。
 
 
 
■ グラスはその辺りにあった何ものかである。
 バカラはいくつか買ったが全て割った。
 みんな酒が悪いのである。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4467

 
      影の軍隊。
 
 
 
■ という映画があった。
 リノ・バンチュラが主役で、レジスタンス当時のあれこれを描いている。
 レジスタンス対ナチという図式は、分かりやすいのだがどうも実際的ではなさそうで、敵や味方や親ナチ政権に協力または裏切りという、いわく言いがたい大人の事情があったようである。
 この辺り同胞が互いにということを維新以後経験したことのない私たちには、肌で感じることが難しいようでもある。
 
 
 
■ バンチュラと言えば「冒険者たち」が有名である。
 けれども、なんという題名かは忘れたが、アルプスの山中をBMWのオープンでメルセデスとバトルする映画があって、30代のころなすすべもなく深夜TVで見た覚えがある。
 そのBMWは白い奴が確か我が国にも輸入されていて、70年代初めのCGでドライブされていた。
 当時のBMWはややマイナーな存在で、チャイルドシートを2つ後部座席につけ、背後がみえなくなるまでドライブスルーの紙袋を蓄え、スーパーの駐車場に傾いて停めるような類のものではなかった。
 勿論、メルセデスもアルファもである。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4468

 
      コートとシトロエン。
 
 
 
■ 影の軍隊に出てくる車は、FFの初代シトロエンである。
 正式名称をなんというのか、ちょっと忘れた。
 なかなかいいデザインをしていて、それが漆黒だったりすると、アポリネールの詩でも捲ってみようかという気になる。
 
 
 
■ 先輩筋の方が、次はそれを直に輸入しようかと騒いでいるのだが、ええと。
 冬になったらぜひ乗せてください。
 ギャバジンにオイルひいたハーフ・コート着てお供します。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4469

 
      August.
 
 
 
■ 8月というのは、基本的に無駄である。
 なにもせず、蝉が近寄るのを聞く。
 デザートに白玉を食べる。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4470

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「緑色の坂の道」vol.4471

 
      エルマーM F3.8/24.
 
 
 
■ あるところで、このレンズで撮った作品を見た。
 モノクロ。
 ちょっとそれはないよね、という按配である。
 若い頃、と言ってもいい歳にはなっていたのだが、私はあまりレンズの描写には拘らなかった。単に金がなかったという話もある。この辺り実は相対的なもので、本当に金がなければ別のことをしていた。
 PCその他で現像はしているのだろうな、と思いながら価格表を眺めている。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4472

 
      ベルリンフィル。
 
 
 
■ どんなカメラで撮ってもいい作品は撮れる。
 技術の進歩と、作品そのものの感動などは別物なのだが、この辺り、どうしてもスペックや伝説などというものと結びつきやすい。
 いわゆるお道具というようなところだろうか。
 懲りすぎると野暮になってしまうが、全く知らないというものまた困る。
 
 
 
■ 悪友と酒の席で好きなことを言っていて、そりゃおまえスーパー・アンギュロンだろう、フルベンのモノラルみたいなもんだぜ。とか言う。
 隣の席のお姐さんが半分呆れて、酒を作りはじめる。
 いや俺はアバドの小品も嫌いじゃないな。
 お気になさらず。知っている単語、並べているだけなのだ。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4473

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2009年08月07日

「緑色の坂の道」vol.4474

 
     エゴイスト。
 
 
 
■ 夏だというのに、シェスタコービッチを聴いていた。
 駆け込みの所用と打ち合わせが続き、あちこちの駐車場に出たり入ったりする。
 車に戻ると、今何楽章だったか、そのうち分からなくなった。
 みゆき通りの辺りでライカレンズの螺子を換えてもらい、そのあいだ色のついたグラスを買う。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4475

 
    エゴイスト 2.
 
 
 
■ 編集の妙齢が置いていった雑誌がその辺りにあった。
 いわゆるお水というかアゲハというか、髪を逆立てた若い女性のお話である。
 彼は事業本部長。
 とか、こちらも髪を逆立てている。
 一時六本木の辺りでフェラリの空吹かしをしていた連中がいて、おまえそれ、厚木246でゼファー焼きつかせてただろう、と私は思った。
 すこし前なら、FXかペケジェイである。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4476

 
     エゴイスト 3.
 
 
 
■ 彼女たちの好みの香水が、それだという。
 近代市民社会セーリツの果てという感じもする。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4477

 
     雲の果ての秋。
 
 
 
■ 雨の多い夏だった。
 結構廻したつもりだったが、オイルは減っていず、シリンダーと相性がいいのかと思われた。
 私は半額になった紺のポロを着ている。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4478

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2009年08月08日

「緑色の坂の道」vol.4479

 
     遠雷。
 
 
 
■ 夏草で踵まで埋まった。
 匂いはしない。
 夕方、西の方で光るものもある。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4480

 
     マーラー10番。
 
 
 
■ 強く冷房を効かせた部屋で、続きを聴いていた。
 難解というか、すこし困った作品である。
 マーラー自体がそうなのだが、この複雑な自我は、いわゆる古典的な芸術家の規範に入るものだろう。トーマス・マンのクレーゲルなどを彷彿とさせる。
 
 
 
■ 音楽を聴くに車の中で、という人は多いだろうと思う。
 例えば深夜の高速を西や東に向かうとき、クールズ・コントロールをセットして普段聴かないCDなどを入れる。窓を閉めていれば今の車はほとんど音がしない。
 ややボリュームを上げ、最後まで聴き通すこともできた。
 夜に限る。
 同乗者がいない時である。
 
 
 
■ 私の場合、古典落語だとか文楽とか、そんなものを若い時分に聴いた。
 昭和の懐メロも好きで、カセットからMD、そして今の媒体に変わってきている。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4481

 
     プルガトリオ。
 
 
 
■ バブル終わりの頃だったと思うのだが、マーラーの「大地の歌」が洋酒の宣伝に使われた。
 あそこは山口さん開高さんらが在籍していたところで、伝統的に宣伝が旨い。
 何時だったか、坂の上にあるホテルのバーにいくと、LEDで青く照らされたビールの泡注ぎが置いてあり、どうしたのこれと尋ねればそういうことである。
 ギミックと言えばそうなのだが、男の世界、例えば持ち物ひとつとってみても似たようなものである。
 
 
 
■ カウンターの定位置のすぐ隣にあったので、やや鬱陶しかった。
 仕方なくビールを貰うのだが、これもまた付き合いというものなのである。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4482

 
     英国風、屈折。
 
 
 
■ マーラーに関する研究というかなんというかは、英国で盛んであるという。
 文献にあたってないので不分明だが、さもありなんとおもう。
 あの国の一部には滅びる事をどこかで善しとするような風情があって、ほとんど頑固親父の世界だが、人のことは笑えない。
 
 
 
■ 先日、地下へ降りると一番新しいジャガーのセダンが前を向いていた。
 とてつもなく速い、とされる奴である。
 脱伝統というスローガンのそれは、口を開けた無国籍で、半分どうしていいのか分からないようにも思えた。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4483

 
     落ちていた蝉。
 
 
 
■ 夏の終わり。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4484

 
     サンダルとシガー。
 
 
 
■ 246の辺りで煙草を買いにいった。
 奥まったところに店があり、その前には灰皿がある。
 男が一人立っていて、真面目な顔で茶色のシガーを吸っていた。
 彼はランニングで、ゆるやかなパンツを履き、夏なのでサンダル履きだった。
 真剣に寄り目になっている。
 
 

「緑色の坂の道」vol.4485

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