乗りたい車がない場合 3.
■ 芝浦は車好きの半分聖地みたいなところがあって、たまに細かなパーツを買いにいく度、これはと思うような車をみかける。
300SLの本物とかノーマルの500E。信じられないくらい程度のいい126のロングや280SLなど、せんだっては外ナンバーのAMGのSLがいた。リアの様子をみると7.2リッターのそれかとも思うが、その割りにタイアがダンロップのそうグリップする訳でもない奴だったので不思議だった。
尻滑らせるのが好きなのかも知れない。
■ 首都高でも第三京浜のS字でもいいのだが、湿った雨の夜などにテールを流しながら外国ナンバーのAMGが斜めになってきたらちょっと怖い。
治外法権である。
2009年4月 Archive
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乗りたい車がない場合 2.
■ 考えてみると、クーラントの交換などは以前は自分でやっていた。
国産も外車もである。
オイル交換もかつては自分でやったものだが、今は廃油処理の手間からまかせるようになっているだけで、オートバイ、単車に乗っていた奴なら簡単な整備は自分でやるものである。
歳をとったのか暇がないのか堕落したか、その全てなのだが、それはそれとして、正直なところこの人にならというような職人が少なくなったような気もしている。
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乗りたい車がない場合。
■ どうでもいいといえばどうでもいいことなのだが、例えばニコンでプロ登録されている方々は、シャッターボタンの感度を改造したりする。風が吹いても落ちるようにしている方もいる。チタンがどうしたというのも同じような理由からである。
一般に何処に金をかけるかというのは、その男や女のあり方に薄く繋がっていて、世の中というのは面白いなと思うのだった。
■ いつだったか仕事で川口の辺りに出かけ、脇道から濃い色の964が出てきた。
助手席に派手な外観の妙齢が乗っている。
運転しているのは、それに相応しい地元の二枚目である。
ちょっと車高が下がりすぎていて、80キロ以上で動作するというリアのスポイラーがあがっていた。
964も一時買いやすくなったので、荒れた車が多いという。
ジャガーXJの308なども手入れされないままだとかなり寂しく、いわゆるVIPカーの仕様になっていたりすると、あちこち光物だらけである。
それもまあデモクラシーなのだが、窓から煙草もった手をひらひらさせるのは古い。
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微妙な按配。
■ 退屈な車の話である。
先日、芝浦のディーラーでLLCとブレーキフールドの交換をした。
今乗っている古い方の奴の場合、冷却水は1年に1回が基本である。夏場はかなり熱くなるので、高速を飛ばしてきて駐車場に入れた後などはボンネットを薄く開けておくこともあった。雨の後などは、白いものが立ち上る。屋外だとそうもいかないが、駐めてあるところは部外者は一切入れない仕組みになっているので、1日2日ならそのままでも問題はない。
夏場、ボンネットを薄く開けているのは私だけではなく、車名は書かないが御同輩というか諸先輩方も近場に複数おられる。アバルトじゃないよ。
■ LLC、クーラントの交換は機械を使って一気にという店もあるが、ホースやサーモに負担がかかる。時間をかけゆっくりと全量交換する方が望ましい。朝入れて夕方できるかというようなところだろう。
昨年はFUCKSを入れたが今年は純正である。
面白いなと思うのは、いわゆる量販店とディーラーで工賃が1000円しか違わないということだった。町場のショップと同じか、または安いかも知れない。パーツの持込も可能である。工賃は同一。
■ 今回入れたブレーキフールドはATE社のブルーレーシングというものである。
ダストが出にくいセミレーシングにパットを換えてから、初期制動がやや甘く、どうしたもんかいなあと遊んでいたら、フールドを換えてみるといいという話があって、それに従った。ブレーキホースは前からステンレスなので、どうにかするとなればそこしかないのである。
車に乗ってみると、確かにその通りである。敏感でしかもダイレクトな感じ。ローター面の微妙な凹凸まで足の裏に伝わるかのようだった。
新油効果かも知れないが、前に換えてから一年は経っていない。
こんなに違うものかな。
これならブレーキ残したままちょっと傾けるかな、と思ったりもする。
荷重移動ですね、詳しく言えば。
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用があったら口笛を吹いてよ 5.
■ いいファンデだね。どこの。
と、尋ねる訳にもいかない。
■「脱出」の中のバコールはやや背伸びをしていた。
照明の関係で獏連にみえる瞬間もあり、実際それはそうだったのかも知れない。
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用があったら口笛を吹いてよ 4.
■ 胸元にひらひらをつけた女がいる。
うふふと薄く笑う。
立派なそれかといえばそうでもなく、ただ胸元が開いている。
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用があったら口笛を吹いてよ 3.
■「脱出」当時、ボガートは40代半ば。
「カサブランカ」など、結構な作品に出演していた頃である。
バコールとの年齢差は一廻り以上。定番といえば定番の、男と女の厄介である。
ただ、いわゆるハード・ボイルドと呼ばれる小説もその映画も、男だけでは成り立たない世界であって、必ず補助線としての女性、妙齢がいる。
主人公が困った時に助けてくれるのは大体がワケありの妙齢で、つまり今や先は知らないが、昔一度か二度は寝たことがある間柄、またはその手前である。
そうでなければオフクロだけだった。
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用があったら口笛を吹いてよ 2.
■ それから夜になり、仕事場へ戻って郵便の点検をする。
スタッフが分けておいてはくれるのだが、中を開け、シュレッダーと未決に閉じる。
オープナーは誰かに貰ったものだが、電池が切れ、面倒なのでそのままにしてある。
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用があったら口笛を吹いてよ。
■ ハード・ボイルドを齧った方ならご存知の、いわゆるあの台詞である。
原作はヘミングウェイ。
映画はその骨子だけを使ったもので、ホークスの仕事である。
ハワード・ホークスのカメラの位置は立位置が多く、小津安二郎のように低くはない。またクレーンを使った俯瞰なども滅多に使わなかった。これはと思うところだけ、ロングで撮る。
粋な照明の使い方もしていて、例えばバコールがくわえる煙草にボガートが火を点ける場面など、愛煙家には困ったものだった。
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知りもしないで 2.
■ ローレン・バコールの低音というのは作られたものである。
ハワード・ホークスにそう言われ、まだ20そこそこだったバコールは裏山で声を潰す練習をした。
1944年の映画「脱出」でバコールはボガートと共演し恋に落ちたが、どちらが粉をかけたかと言えば、乗ったのはボガートである。
目線でそれが知れる。
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